教職の話

 

中学生三年から教職(教師、塾の講師、教育に携わる職業を指す)を目指していた自分だけれど、大学三年で諦めた。

 

いや、諦めたという言葉は相応しくなく、嫌気がさしたと言うべきか。

 

 

 

そもそもなんで自分が教職を志していたのかという話になるわけだが、自分は中学生の頃全く頭が良くなかった。

 

どれくらい悪いかというと、偏差値にすると40いかないくらい。

 

だけれどそんな自分を救ってくれたのは周りの環境と、

中学三年の時から通った個人経営の塾の先生と同期の仲間だった。

 

先生は偏差値40もない自分が、

偏差値65の高校を志望していたことを笑わずに向き合ってくれて、

「どういう勉強をすればいいか?」

「そもそも勉強ってどうやってするんだ?」

など些細な疑問まで教えてくれた。

 

「落ちたらこの先生のせいにしたろ」と思い、

先生が言ったことを全てこなした。

 

 

そしたらグングン成績が伸びる伸びる。

結果から言うと志望していた高校には落ちたけれど、自分としては充実した受験期間だったと思うし、

落ちても先生のせいにするどころか自分の責任だと感じた(当たり前なんだけど)。

 

 

そんな経験もあって、自分はこんな先生になりたいと思えた。

 

自分も、自分のような勉強の仕方がわからない生徒を救いたい…ってな感じ。

 

 

 

 

浪人はしたもののまあ有名な大学に入ることができました。まぐれだと思っていますが。

 

もちろん自分は教職に携わりたいという気持ちは衰えていなかったので、大学では教職課程を履修した上に塾講師のバイトも始めました。

 

 

そしてその塾講師をすることで、教職が嫌になった。

もっと言うと、教師になろうとしている人達が嫌になった。

 

 

理由として、

 

 

・都合のいい人間が多すぎる

 

 

塾講師だったりのバイトをしている人ならこんな会話は飲み会だったりで耳にするでしょう。

 

「○○は頭悪い、効率悪い」

「△△は地頭がいい」

「□□は理解力がある」

 

ひとつ問いたい。○○は頭悪いと言うけれど、頭の悪くない生徒が塾にくる意味はあるのか?

 

子供が勉強ができないから、親がお金を払って私たち講師に指導というサービスを求めている。

 

逆に言えば、私たち講師はサービスを与えることでお金をもらっているのだ。

 

もっと簡単に言えば、コンビニでお金を払って商品を貰う。それと全く同じだと思ってる。つまるところ塾はサービス業だと思う。

 

 

それを面倒臭がって「○○は頭悪いから教えても無駄」などと言うのは、「自分はそこそこ頭はいいけれど、他人に教えたり理解させるのはできない」と仕事を放り出してるのと同じじゃないか?

 

もっと言いたい。

 

 

 

生徒の成績が上がったら、

「○○の成績あがったわ~教え方上手いかも、俺」とか、

生徒の成績が下がったら、

「宿題やってたか?答え見てたんじゃないか?繰り返しやったか?お前のせいだぞ」とか、

 

 

生徒の成績の変動を都合のいいように解釈する講師たち。もう本当にこれが嫌だった。

 

生徒の成績が上がったら、それは確かに講師の功績あってのことかもしれないが、なんでまず先に生徒を褒めない。自分を褒めてなんになるんだよ。マジで無駄。

 

 

生徒の成績が下がった原因が、宿題をやらなかったとか弱点を克服しなかったとか原因が明確なら、なぜそれを講師のお前がやらなかったんだ。

 

「いや、勉強は生徒がすることだから」

 

そうじゃない。勉強をするとこまで見届けるのが講師の仕事なんじゃないのか。親と話したらわかるけれど、塾に行かせてる親は講師はそういう世話までしてると思ってる。

 

なんでかと言うとお金を出しているから。しかも塾なんて結構な大金だ。

 

親は投資をしているわけなんだから、見返りを期待するに決まってるだろう。

 

 

子供が勉強の仕方がわからないならその子に合う勉強の仕方を提示すべきだし、ただ提示するだけじゃなくて進捗確認をこまめにするべきだろう。

 

あなたが後輩に仕事を任せて、その仕事の過程や結果や報告を聞かずに放置するか?しないだろう。

 

やってることはそれと同じだと思ってる。

 

 

 

 

教職を目指している全員が上記に該当するとは思っていないけれど、自分が見てきた教職志望者の大半はこれだった。本当に嫌になる。

 

 

 

生徒の成績が落ちたら問題の難易度とかは置いといて、大半は指導力不足の自分の責任なのだ。子供のせいではない。

 

成績が下がるということは勉強不足に繋がるし、勉強不足ということは勉強の仕方がわからなかった、やる気がでなかったことに繋がるし、それらは全部講師のせいだと思ってる。

 

 

というか子供のやる気なんて、大体勉強に躓いて拗ねてるだけだから。それに気付けない講師が悪い。

 

 

まあこんな話をたまにするわけだけど、教職志望者は耳を傾けない。

理由は簡単で、自分がそれに該当すると思っていないからだ。

 

本当におめでたいやつだなあと思う。

おれはあんたみたいな人のことを遠回しに悪口を言ってるのに気付かないなんて。

 

 

まあでも教職をやっている人がいなければ子供たちに勉強を教える人がいないので、教師の皆様には頭が上がりません。頑張ってください。

 

 

 

 

追記

 

ふと思ったのですが、塾に通って三年みたいな生徒いるじゃないですか。

 

それに付随してその子を三年教えてる講師もいるじゃないですか。

 

受験なんて基本一年もあればある程度の学校に入れるのに、そのレベルに到達させれなかった講師って本当に教える技量が皆無じゃないですか(笑)

 

それにもかかわらず、自分は教えるセンスがあると思ってる講師って本当におめでたいなと思いました